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ピラティスの歴史

ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスという方が作ったメソッドです。彼は“コントロロジー”と名付けていました。現代ではエクササイズの一種に捉えられることが多いですが、自然の法則にしたがってライフスタイルを改善することまで考えられた健康法です。

※ジョセフの考える健康とは本来あるべき自然な状態のことを指します。

1880年 ドイツで生まれる。くる病、喘息、リウマチ熱など病気に苦しむ幼少期でした。自身で病を克服するために様々な運動を行い、14歳になるころには解剖図のモデルになるほどの健康体になる。

1914年 第一次世界大戦勃発。イギリスで捕虜となり収容所に拘留される。この時に仲間の捕虜の体力、健康の回復を助けるため運動を教えだす。後のピラティスの始まりである。

1918年 世界的にインフルエンザが大流行。何百万人もの命が失われる中彼の彼の同僚たちは一人も倒れなかった。戦後ドイツへ帰り軍警察を指導し始める。

1925年 政府から新しい軍隊の訓練を頼まれるが拒否し、アメリカに移民を決める。

1926年 ニューヨークにスタジオを開設。ピラティスのうわさは口コミで広がり、映画スター、ダンサー、医者など様々な職種のクライアントを持っていた。

1930年~1940年 ダンサーの間でより有名になり、何人かのアシスタントと共にスタジオを経営。この時のアシスタントたちも後に偉大な指導者となる。

1967年 86歳でこの世を去る

1990年~ ピラティスは様々なメディアに取り上げられアメリカに浸透。世界中に広がりを見せる。

ジョセフは生涯に2冊の本を残しています。

1934年に出版した「YOUR HEALTH」では当時の健康の専門家に対しての批判と、それらとは違う自然の法則にしたがう自身のコントロロジーの考えが述べてあります。その考えは教育、椅子やベッドの本来ある形にまでおよびます。

驚くのは80年以上前の本だというのに、当時としては珍しい心と体のバランスについて述べている点ではないでしょうか。

 

“本来、人間に備わっているはずの〝体と心のバランス″を確実に取り戻す自然の法則を悟り、応用するためには、これまでとは根本的に違った取り組み方の研究が必要である。

〝体か心か″ではなく〝体も心も!″である”

 

引用元 CONTROLOGY ピラティスメソッドの原点 ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス 訳 川名昌代

1945年2冊目の「Return to Life」を出版します。

現代社会においても重大問題である過労による精神的ストレスが身体に及ぼす害を述べています。それにたいしてのコントロロジーの効果とやり方が写真付きで載っています。

ピラティスメソッドが現代のエクササイズのような体だけ変えるものではなく、生き方までまで変えるというのが分かりやすく書いてある良書です。

 

“毎日の活動で感じる不自然な体の疲れや、精神的な緊張を緩和する必要がある。電話、自動車、経済的プレッシャーなどが重なって引き起こされる身体能力の低下と精神的ストレスがあまりに大きいため、現代社会ではどこに住もうと、何らかの形での神経の緊張から完全に逃れることはできない”

 

“(ピラティスを行うことによって)体の発達が理想に近づく上に、精神的な活力も回復し、気力も充実することに気づくだろう。コントロロジーは柔軟性と自然な優雅さとを身につけられるようにできていて、それは歩き方や、遊ぶとき、働くときの身のこなしに明白に表れてくるだろう”

 

“体、頭、精神が完全に調和して、一つのものとして働いていれば、その人は間違いなく、活動的で用心深く、自制心を備えていると考えられる。さらに神経の緊張と過剰な疲労から解放された体は、現代の生活につきものの複雑な問題に対処できる、バランスのとれた頭脳が宿るための理想的な容れものである。問題にぶつかったときでも、論理的に考え、落ち着いて解決できるだろう”

 

引用元 CONTROLOGY ピラティスメソッドの原点 ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス 訳 川名昌代

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