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  • 執筆者の写真篤史 高橋

筋肉が強い、弱いってなに?


こんにちは!LIFEPilatesStudioの高橋です。

今日は僕自身がなんとなくで理解していた筋肉が強い、弱い、緊張している、使えてないを「姿勢の観点」で分解してみていくことにします。


まず筋肉が強い、弱いとはいったいどんな状態を指しているでしょうか?世間ではジムでのトレーニングがまだまだ主流ですのでそういったトレーニング視点だと「重さ」が基準になります。重さ(もしくは反する力)に対してどれだけ筋で抵抗できるかが強いか弱いかの判断です。


次に姿勢をベースにした時の強い弱いとはなんでしょう?それは正しい姿勢でいられなくなることが基準になります。もう少し分解しましょう。


骨格はテントを立てるロープに例えるとわかりやすくなります。テントはロープによる前後からの引っ張る力でバランスよく立ちます。骨も筋肉のロープで前後左右引っ張られることで「骨」が立ちます。解剖学でいうと主導筋に対して拮抗筋がそれにあたります。


筋肉は弱くなると、反対から引っ張る力に負けてしまい骨格を正しい位置にしておくことができなくなります。筋肉は伸び縮みしますので「筋肉が(本来の長さ)よりも伸びてしまって縮めない状態」を弱い状態と定義できます。逆に「筋肉が(本来の長さ)よりも縮んでいて伸びない状態」を強い状態と定義することができます。


筋肉は表と裏、屈曲に作用する筋があれば反対に伸展に作用する筋がいます。わかりやすく股関節で説明すると屈筋は四頭筋、伸筋はハムストリングです。


ハムストリングスが弱くなる(通常より伸びた状態)= 四頭筋が強くなる(通常より縮んだ状態)   上前腸骨棘が下方に引かれ骨盤の前傾が起きる


四頭筋が弱くなる(通常より伸びた状態) = ハムストリングスが強くなる(通常より縮んだ状態)   座骨が下方に引かれ骨盤の後傾が起きる


この前後(もしくは左右)の力に差が出た時に骨は本来の位置からずれてしまうのです。

姿勢を基準にした場合はこのい方で使っていることが多いです。アスリートや体を酷使する人では前後左右のバランスはかなり違いがありますがその場合は「弱い」わけではなく必要な筋肉が発達しているだけです。ただそれが行き過ぎてバランスが悪くなっている場合は「伸びている側」を鍛えてあげることは有効でしょう。



次に緊張、使えてない、というワードです。ピラティスの現場だと「筋が緊張している」というワードはよく出てきます。これはいったいどうゆう状態なのか?


ここからは個人的な視点ですが先ほどの弱い、強い状態の筋肉が長期間その状態でいると、伸び縮み両方ができない状態(でも常に筋は働いているので等尺性収縮)になり、これを指すと思われます。代償運動などで酷使され続けてこの状態になってしまうこともあるようです。伸び縮みできないので関節が動くときに「使えてない」とも言えます。

もちろん筋肉は繋がりの中で動くため、1か所にこれが起きるとその関節や、付随する動きに関与する筋肉たちにも「すぐ疲れる」「動きづらい」といった症状が現れます。


分かりやすく説明すると関節な安定に作用する深層筋肉インナーマッスル)が弱くなる、もしくは緊張してしまうとそのバランスを表層筋(アウターマッスル)が代償し、コリやハリ、ひどいときは痛みとして出てきます。


例)

深層外旋六筋が弱くなる(伸ばされて長い状態)→大殿筋、中殿筋が緊張する。

前鋸筋、菱形筋が弱くなる(伸ばされて長い状態)→僧帽筋が緊張する。


インストラクションの中で何となく使っている言葉を解剖学に当てはめると上記のように説明できます。筋力の強い弱いを重いものに対して抵抗できる力ではなく、筋の長さでとらえるとよりピラティスのレッスンが分かりやすくなると思います。


最後に弱い部分、緊張している個所の鍛え方、使えるようにする方法を紹介します。


Step 1

表層筋の緊張の原因は深層筋に弱化にあるため、深層筋を使えるようにしてあげます。単関節運動で意識が出るようにします。このときなかなかうまくいかない時は表層筋の緊張が強すぎて邪魔をしている場合があります。この場合は表層筋の筋膜リリースが有効です。個人的な観点ですがストレッチよりリリースのほうが効果が高いです。リリースした後にストレッチするのもアリです。


Step 2

深層筋が使えてきたら多関節の運動でトレーニングをします。多関節の運動なのでほかの箇所にも効いてきますが、Step1でしっかり効かせることができていると感覚的にもかなり使っている感じが出ると思います。多関節の運動なのでStep1より強度を上げてチャレンジしてください。


Step 3

Step2まででも十分ですがかなり弱化がみられる場合はもう一度Step1の単関節運動を行います。

縮まっている側をまずストレッチで伸ばします。これで弱い側(伸びている側)を縮めやすくすることができます。つぎにStep1と同じように使います。この時に筋が収縮した状態でキープさせてください。はじめは3秒でも5秒でもいいです。慣れてきたら30秒、1分と長くします。

あまり知られていませんが筋の長さを調整する際は何回やったかよりもキープしている時間が長いほど効果があります。ずっと同じ姿勢の人はその姿勢が「自然」になってしまいますよね?身体の中では筋がその長さに変化してしまったからです。


以上を踏まえてトレーニングをしてみてください。深層筋が使えて元の長さに戻ると表層筋の緊張が抜け、それだけで楽になりコリやハリはなくなります。うまくセッションで効果が出せてない人は筋膜リリースが深層筋を使いやすくしてくれます。やり方はいろいろあるので自分で効果が実感できる方法でやっていただけるといいかと思います。



今日の記事もかなりインストラクター向けになりましたね(汗)是非皆さんのトレーニングの参考にしてください。





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